池 |
本当にあった怖い話 File.28 |
投稿者 あちゃ 様 |
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今から大体四、五年ほど前の夏だったかな。 友人連中と七、八人ほどで飲みに行ったんだ。 その帰り、「ちょっと涼もうぜ」って誰かが言い出して、地元の図書館にある池に行った。 そこは十年近く前は舗装も何もされていない池で、落ちちゃう子供も多くてね。 さすがに苦情が出て、七年ほど前に綺麗になった池なんだよ。 池について、友達とくだらない話でだらだらと盛り上がってね。 そしたら、友人Tが急に変なことを言い出したんだよ。 「あれ、あそこ誰か立ってへん?」って池を指差した。 みんな騒然となって、注視したんだけど何もない。 俺はてっきり、怖い話には滅法弱いKがいたもんだから、担いでんのかと思ってね。 「あ、ほんまや。何か白いのいるなぁ」って相槌を打ったんだよ。 そしたらTが首を振って、「違う違う、お前の言ってる奴じゃない」とか言うんだ。 全くわけわかんないから曖昧に頷いたんだけど、Tが俺にそっと耳打ちする。 「いや、お前は見えてるはずやからちゃんと見てくれ。 あそこ、人立ってんねん。男か女かわからへんねんけどな」 言われて、よくよく見ても、やっぱり見えない。 Tは俺の反応に落胆したのか、 「見えないなら見えないままの方がいいなぁ、ここあんま良くないし今日はもうお開きにしようや」 そう言って、その場は帰ることにした。 自転車を漕ぎながらTと喋ってたら、 「いや、お前にはそういうの見えてるはずなんだけど、見えていないことにしてんのかなぁ」 ってしみじみ言われてね。 「よせよ、冗談ちゃうわ。幽霊見えても怖いだけやん」って軽口で返しながらも、内心ちょっと怖くなってた。 「あの辺何かあったん?」ってTが聞くから、「確かに昔は池にはまったりとか事故多かったよ」って俺は返した。 Tは首をかしげ、「そういうのとは違ったんだよなぁ」ってしきりに不思議がってたよ。 みんなと別れて家に帰っても、Tの言葉が頭から離れない。 思い当たる節が少しあったからね。 池でTが見たものは結局何だったかわからずじまいだったんだけど。 何が怖かったって、その三日後くらいに、池から変死体が上がったんだよ。 そのことをTに言ったら、「なるほどなぁ」って納得してた。 ★→この怖い話を評価する |
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