うしろのしょうめん |
本当にあった怖い話 File.151 |
投稿者 (´・∞・`)@風月 様 |
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高校時代。 当時は何故か、自分の回りには幽霊などのものを、「見える」「感じる」という人間が数人いた。 その中でも、同じクラスの親友Tと、友人N、一学年先輩のMさんは別格だった。 今回はMさんとの話。 その日、委員会活動も終わり、みんなで帰ろうと駐輪場に向かって歩いていた。 時間は確か七時をとうに過ぎていたように思う。 夏ではなかったので、外はすっかり真っ暗で、 点々とある街灯が照らしている場所以外はほとんど何も見えなかった。 Mさんを含めた先輩二人と、同学年の友人が一人。 駐輪場に着くと、みんな各々の自転車を取りに行く。 駐輪場内は盗難防止為か、 回りをぐるりとフェンスでかこまれており、その外側は入り口から右手が歩道、 左手がビニールハウスが並ぶ農場で、一番近いビニールハウスまでは急な土手になっていた。 因みに入り口から正面奥は、狭いながらも雑木林になっており、 その向こうは国道を挟んで市立病院である。 そんな立地のせいかは分からないが、その駐輪場は夜になると、街灯で明るくても気味が悪かった。 私がその日自転車を停めたのは駐輪場奥の方だったため、早足でそこまで向かう。 歩き出して、ふとビニールハウス側のフェンスのところに、男が立っているのが目に入った。 顔は見えず、ボーダーのTシャツにジーンズという姿で佇んでいたのが、今でもはっきり覚えているが、 当時、その瞬間の私は「あぁ、人がいる」という認識しかなく、そのまま素通りし、愛車のもとへ。 自転車のキーロックを解除したそのときになって、ようやくおかしいということに気づいた。 (こんな時間に、何で私服の男がこんなところにいるんだろう?) すぐにその男がいた方を見たが、そこには当然のように誰もいない。 「あれ?」 そう呟きながら、自転車をおしながら先輩たちのもとへ行き、 「Mさん、今あそこに男いませんでした?」 ちょうど私と目があったM先輩にそう聞いた。 私は当然、「見間違えだろ」と言われると思っていたが、M先輩から出たのは全く予想外なことだった。 「うん。今、君の後ろにいるよ」 彼はそう、満面の笑みで言った。 思わずポカーンとする私。 「……はい?」 「うん。だから、今、君の後ろにいるよ?」 「え、な、何が?」 「その人」 「……はい!?(゜д゜;)」 ぎょっとして後ろを振り返るが、当然そこは私の目になど見えるわけもない。 「うん。君の事、気に入ったみたいだね(^∀^)」 「気に入ったって……ぅえぇぇえ!?(゚Д゚;)」 「あはははは(^▽^*)」 「そんな、え、憑いてきたって、自分なんもできないっすよ!!?つかむしろ迷惑!!」 「いや、良いんじゃないかな?」 「何が!!」 そんなやり取りをして帰路へついた。 帰り道やその後特に何があったと言うこともなく時間は過ぎ、 いよいよ眠る前、気になった私は、洗面台にうつっている自分の後ろに、 「私についても、私は何も出来んぞ。 あんたの姿も見えなけりゃ声も聞こえん。なんか訴えるんなら他あたれ」 と言ってから寝た。 そのせいかどうかは知らないが、翌日にはいなくなっていたらしい。 放課後、M先輩に聞いたときには「見えないからどっか行ったんじゃないかな?」と言われた。 数年たった今でも、街灯の灯りの下でぼうっと佇む男の姿は、未だに忘れられない。 ★→この怖い話を評価する |
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